九州歯科大学を卒業後北九州市小倉北区で約５年間の勤務医を経て、平成１１年２月に熊本市南区南高江で「まちのはいしゃさん」を開業、平成１３年４月に現在の同市南区島町に移転、その後２０年にわたり地域の皆様のおかげをもちまして、歯科診療を続けてさせていただいております。
　私の住む力合校区は、先祖代々住んでいる方が非常に多い地域です。お年寄りはお元気で、おしゃべり好き。診療の合間や待合室でのおしゃべりで、私はずいぶん励まされました。ご飯作るのが大変だろうと差し入れをいただいたり、いつでも子守してあげるから困った時は遠慮なく言ってと優しい言葉をかけてくださったり。だから私は今まで受診してくださっていた患者さんが来院できなくなった時は、私が訪問して最後までしっかりとケアしたいと訪問歯科診療をはじめました。
　訪問歯科診療が歯科の保険適用になってかなりの年月が経ちます。ポータブルユニットやレントゲンなどはだいぶコンパクトになったように感じます。それでも診療室とは違い、お部屋の広さ、電源やテーブルの位置、車椅子かベッドかなど１軒ごとに異なり、限られた時間内での診療はとても慌ただしいものです。そこで訪問歯科診療をより快適に、安全に、短時間でできるものを工夫したいと考えるようになり、まちはい工房を設立しました。
　設立準備をしているときに、熊日新聞で「コロナ禍で県内作業所受注減、障害者の働く場苦境」という記事に触れました。弊社の作る製品が少しでもお役に立てれば、と就労支援センターに作業の一部をお願いすることにしました。弊社の製品は作る人、使う人、使われる人全てが思いやりで繋がる製品です。
　新製品「かばちん」をはじめとして、訪問歯科診療や介護分野でより良い製品の開発することで、少しでも社会貢献ができるよう精進してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。